ここでは困ったケースも紹介しておこう
私たちが、調査に訪れたり、相談に応じたりした場合で、最も困るケースは、被害者が「何を買ったのか、何を頼んだのか、幾らで頼んだのか」の証拠がないことだ。
相談にきた人は「私を信じてほしい」と言われるかも知れないが、住まいの買い方の出発点は、契約書に添付する設計図書の内容に尽く。
その中身についてはすでに述べた通りだ。
設計図書の中の「仕様書」について触れておきたい。形で表せる住まいの内容は設計図にする。しかし、壁をどうつくるか。タイルはどこのメーカーのタイルを張るかクーラーはどこのやつを使うかの何という種類のどの程度の性能のものを入れるかは、設計図では書けない。
こうした図面化できない住まいの内容を書いたものを「仕様書」という。この仕様書には、標準的な工事の「標準仕様書」と、この工事にしか使えない「特記仕様書」がある。この仕様書と「工事見積書」に書かれた「単価」とをにらみつつ、建物と照合するのである。
工事見積書では、1平方メートル1万2000円となっているタイルなのに、実際に施工しているタイルが、9000円のものだと分かれば、歴然とした証拠だ。それを口約束したといわれても、どうにもならないb先に説明したJASSを参考にすると、その内容はA種B種C種の3種になっており、工事の質を区分している。A種は上質・B種は平均的。C種は関係法に準拠しつつも少し程度が落ちる工事を表している。
これらはしっかりと感じて欲しいのだ!粗末な工事は避けよう!